顕微鏡対物レンズの仕様

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それぞれの対物レンズの特性は、図1のように重要なデータがその対物レンズ自体に刻印されていることから、通常簡単に識別することができます。この図では、典型的な60倍のプランアポクロマート対物レンズを示していますが、その対物レンズの目的や、適切に利用する上で必要な条件などを判断するうえで必要なすべての仕様がここに刻印されています。

図1 - 60倍のプランアポクロマート対物レンズ

顕微鏡メーカーは、様々な対物レンズを提供しており、専門的なアプリケーションで要求される性能を実現している他、カバーガラスの厚さの違いに対する補正や、対物レンズの有効作動距離の増大にも、それぞれ対応しています。多くの場合、特定の対物レンズの機能は、対物レンズの構造を見ただけではわかりません。有限系顕微鏡対物レンズは、固定されている平面(中間像面)に回折限界結像を投影するような設計になっています。なおこの平面は、顕微鏡の鏡筒長によって決まり、あらかじめ指定されている対物レンズの後部焦点面からの距離に設定されています。顕微鏡対物レンズは通常、残存する光学誤差を除去できるようにするために戦略的に配置された、特定グループの接眼レンズや結像レンズと併用するような設計になっています。たとえば、ニコンやオリンパスの比較的古い補正接眼レンズは、倍率色収差を排除したり、視野の平坦度を改善したりするために、開口数が高いフルオリート対物レンズやアポクロマート対物レンズと一緒に使われていました。(ニコンやオリンパスの)新しい顕微鏡では、完全に補正された対物レンズが搭載されているため、接眼レンズや結像レンズで補正を別途行う必要はありません。

現在、ほとんどのメーカーは、すべての方向から出てくる光線を無限に平行な束で投影する無限補正対物レンズへと方向転換しています。これらの対物レンズでは、中間像面で結像させるため、光路内に結像レンズが必要になります。無限補正と有限筒長の顕微鏡対物レンズには互換性がなく、特定の顕微鏡タイプにしか対応しないだけでなく、多くの場合、単一のメーカーの特定の顕微鏡以外には対応していません。たとえば、ニコンの無限補正対物レンズは、筒長に差があるだけでなく、マウントのピッチや径が同じでないため、オリンパスの無限補正対物レンズと交換することはできません。対物レンズには通常、後述するように、筒長焦点距離補正が刻印されています。

それぞれの対物レンズに刻印されている情報は多数存在しますが、いくつかのカテゴリーに分けることができます。これには、横倍率、開口数、光学補正、顕微鏡本体の筒長、対応する浸液の情報などがある他、その対物レンズが特定の必要性に対応しているかどうか判断するためのその他の重要な要素も記載されています。これらの特性について、以下で詳細に説明し、それぞれの問題について記述している他の参照ページも随時紹介しています。

  • メーカー - 対物レンズメーカーの名前は、ほとんどの場合、対物レンズに刻印されています。図1の対物レンズはニコン製ですが、同等の対物レンズが、オリンパス、Zeiss、Leicaなどの企業によって製造されています。なお、これらの企業は、顕微鏡産業ではもっとも評判の高い企業です。
  • 横倍率 - 図1で示したアポクロマート対物レンズの場合、横倍率が60倍になっていますが、各メーカーは、0.5倍から250倍のさまざまな横倍率を持つ、さまざまなサイズの対物レンズを生産しています。
  • 光学補正 - これは通常、AchroAchromat(アクロマート)と刻印されますが、優れた球面収差補正機能や色収差補正機能を持っている場合、FlFluarFluorNeofluarFluotar(フルオリート)、最高レベルの球面収差補正機能や色収差補正機能を持っている場合、Apo(アポクロマート)と刻印されます。像面湾曲補正の場合は、PlanPlEFAchroplanPlan ApoPlanoと刻印されます。他の一般的な略語として、ICS(Infinity Corrected System:無限補正システム)およびUIS(Universal Infinity System:ユニバーサル無限システム)、NおよびNPL(Normal Field of View Plan:自然視野プラン)、Ultrafluar(250ナノメートルという透明度のガラスで製造されたフルオリート対物レンズ)、CFおよびCFI(Chrome-Free、Chrome-Free Infinity:色収差補正、色収差補正・無限系)などがあります。図(図1)の対物レンズは、最高レベルの光学補正機能を搭載したプランアポクロマートです。対物レンズによく刻印されている省略語の詳細なリストについては、表1を参照してください。

表1 - 専門的な対物レンズで使用される記号

Abbreviation Type
Achro, Achromat Achromatic aberration correction
Fluor, Fl, Fluar, Neofluar, Fluotar Fluorite aberration correction
Apo Apochromatic aberration correction
Plan, Pl, Achroplan, Plano Flat Field optical correction
EF, Acroplan Extended Field
(field of view less than Plan)
N, NPL Normal field of view plan
Plan Apo Apochromatic and Flat Field correction
UPLAN Olympus Universal Plan (Brightfield, Darkfield, DIC, and Polarized Light)
LU Nikon Luminous Universal (Brightfield, Darkfield, DIC, and Polarized Light)
L, LL, LD, LWD Long Working Distance
ELWD Extra-Long Working Distance
SLWD Super-Long Working Distance
ULWD Ultra-Long Working Distance
Corr, W/Corr, CR Correction Collar
I, Iris, W/Iris Adjustable numerical aperture
(with iris diaphragm)
Oil, Oel Oil Immersion
Water, WI, Wasser Water Immersion
HI Homogeneous Immersion
Gly Glycerin Immersion
DIC, NIC Differential or
Nomarski Interference Contrast
CF, CFI Chrome-Free,
Chrome-Free Infinity-Corrected (Nikon)
ICS Infinity Color-Corrected System (Zeiss)
RMS Royal Microscopical Society
objective thread size
M25, M32 Metric 25-mm objective thread;
Metric 32-mm objective thread
Phase, PHACO, PC Phase Contrast
Ph 1, 2, 3, etc. Phase Condenser Annulus 1, 2, 3, etc.
DL, DM Phase Contrast: dark low, dark medium
PLL, PL Phase Contrast: positive low low, positive low
PM, PH Phase Contrast: positive medium, positive high contrast (regions with higher
refractive index appear darker)
NL, NM, NH Phase Contrast: negative low, negative medium, negative high contrast
(regions with higher
refractive index appear lighter)
P, Po, Pol, SF Strain-Free, Low Birefringence,
for polarized light
U, UV, Universal UV transmitting
(down to approximately 340 nm)
for UV-excited epifluorescence
M Metallographic (no coverslip)
NC, NCG No Coverslip
EPI Oblique or Epi illumination
TL Transmitted Light
BBD, HD, B/D Bright or Dark Field (Hell, Dunkel)
D Darkfield
H For use with a heating stage
U, UT For use with a universal stage
DI, MI, TI Interferometry, Noncontact,
Multiple Beam (Tolanski)
  • 開口数 - 受光角を示す臨界値ですが、これが対物レンズの集光力、解像力、被写界深度を決定します。

透過蛍光および暗視野イメージングのために特別に設計された一部の対物レンズには、効果的な開口数を調節するための虹彩絞りが内部に装備されています。このような対物レンズに刻印されている省略語には、I、Iris、W/Irisなどがあります。上の図で示した60倍アポクロマート対物レンズは開口数が1.4になっていますが、これは現代の顕微鏡において、油浸を使用したときに実現できる最高の値です。

  • 機械筒長 - これは、対物レンズを取り付けるレボルバー開口部から、接眼レンズ(アイピース)を挿入する鏡筒上端部までの顕微鏡本体の鏡筒の長さです。筒長は通常、対物レンズに、固定長の場合はミリメートル単位の数字(160、170、210など)、無限補正の場合は無限大の記号(∞)が刻印されています。比較的古い対物レンズでは、160(ニコン、オリンパス、Zeiss)または170(Leica)ミリメートルのいずれかの筒長で補正されていますが、図1で示した対物レンズでは、無限の筒長として補正されています。
  • カバーガラスの厚さ - ほとんどの透過光対物レンズは、カバーガラス(またはカバースリップ)で覆われた標本を観察する設計になっています。この小さいガラス板の厚さは、現在、ほとんどの用途で0.17mmが標準になっていますが、厚さが違うカバーガラスも少なくありません。このような理由のため、一部の先進的な対物レンズでは、この厚さの差を補正するために、内部のレンズ素子を補正環で調節できるようになっています。この補正環調節に対する省略語はCorr、w/Corr、CRですが、動かすことができる溝付きの環と目盛が付いていることでも、補正環であることはわかります。

上のインタラクティブチュートリアルでは、誰でも、顕微鏡対物レンズの補正環を調節できるようになっています。ただし、対物レンズをカバーガラスの厚さに合わせて補正する必要がない用途もいくつかあります。このような用途には、反射光金属工学標本、組織培養、集積回路の検査の他、カバーガラスの補正なしで観察を行わなければならない多くの用途があります。

  • 作動距離 - これは、標本に焦点が合っているときの、対物レンズの前面レンズから、カバーガラス上部までの距離です。対物レンズの作動距離は、倍率が高くなるほど、短くなります。作動距離の値は、すべての対物レンズに刻印されているわけではなく、記載の状況はメーカーによって異なります。一般的な省略語は、LLLLDの他、LWD(長作動距離)、ELWD(極長作動距離)、SLWD(超長作動距離)、ULWD(極超長作動距離)です。比較的新しい対物レンズでは、多くの場合、バレルに作動距離のサイズが(ミリメートル単位で)刻印されています。図1で示した対物レンズには、0.15ミリメートルという非常に短い作動距離が刻印されています。
  • 特殊な光学特性 - 顕微鏡対物レンズには、特定の条件下において最適な性能を発揮させるための設計パラメータが存在することがあります。たとえば、偏光照明のために設計された特殊な対物レンズが、PPoPOLSF(歪みなし、あるいはすべてのバレルに赤で刻印)などの省略語で表されている他、位相差(PH、あるいは緑の刻印)、微分干渉法(DIC)などに対応したものもあり、その他の用途に対する省略語も多数存在します。多くはメーカーごとに異なっていますが、いくつかの省略語について、表1にリストしています。図1で示したアポクロマート対物レンズは、DIC顕微鏡写真に最適化されたものであり、そのためにバレル上にDICと刻印されています。大文字のHがDICマークの横に書かれていますが、これは、この対物レンズを、高倍率用途に最適化されている、特殊なDICウォラストンプリズムと一緒に使用しなければならないことを示すものです。

表2 - 対物レンズの開口数と作動距離

Optical Correction*
and
Magnification
Numerical
Aperture
Working Distance
(Millimeters)
ACH 10x 0.25 7.0
ACH 20x 0.40 3.9
ACH 40x 0.65 0.65
ACH 60x 0.80 0.25
ACH 100x (Oil) 1.25 0.23
PL 4x 0.10 30.0
PL 10x 0.25 10.5
PL 20x 0.40 1.20
PL 40x 0.65 0.56
PL 100x (Oil) 1.25 0.20
PL FL 4x 0.13 17.2
PL FL 10x 0.30 16.0
PL FL 20x 0.50 2.1
PL FL 40x 0.75 0.72
PL FL 100x (Oil) 1.30 0.20
PL APO 2x 0.10 8.5
PL APO 4x 0.20 15.7
PL APO 10x 0.45 4.0
PL APO 20x 0.75 1.0
PL APO 40x 0.95 0.12-0.15
PL APO 60x (Oil) 1.40 0.13
PL APO 100x (Oil) 1.40 0.13

*省略語:
ACH = アクロマート
PL = プランアクロマート
PL FL = プランフルオリート
PL APO = プランアポクロマート

  • 対物レンズネジ穴 - ほとんどすべての対物レンズのマウントは、その汎用性のために、英国王立顕微鏡学会(RMS)の標準に準拠したサイズになっています。図1の対物レンズのマウントは、RMS標準に準拠しており、直径が20.32mm、ピッチが0.706になっています。この標準は現在、オリンパスとZeissが無限補正対物レンズを製造するときに使用しています。ニコンとLeicaは、もっと広いマウントサイズを持つ新しい無限補正対物レンズを導入して、この標準から離れたため、結果的に、Leicaとニコンの顕微鏡では、自社の対物レンズしか使用できなくなっています。ニコンは、生物顕微鏡、ニコンCFI60 200/60/25の仕様について記述したセクションで、その理由を説明しています。ネジサイズを示すために一般的に使用されている省略語は、RMS(英国王立顕微鏡学会の対物レンズネジ)、M25(25mmメートル系対物レンズネジ)、M32(32mmメートル系対物レンズネジ)です。
  • 浸液 - ほとんどの対物レンズは、対物レンズとカバーガラスの間の媒質として空気を使用し、標本をイメージングする設計になっています。

多くの対物レンズでは、高い作動開口数を実現する目的で、ガラスとイメージング剤との屈折率の差を小さくするために別の媒質を使用して、標本をイメージングできるような設計になっています。分解能が高いプランアポクロマート対物レンズでは、1.51の屈折率を持つ特殊なオイルを浸液に使用することで、最大1.40の開口数を実現できるようになっています。その他の一般的な浸液としては、水とグリセリンがあります。通常、特殊な浸液を使用することになっている対物レンズには、対物レンズバレルの外周に、表3および以下で示しているようなカラーコードが付いたリングが刻印されています。一般的な省略語は、Oil, Oel(油浸)、HI(均等液浸)、W、Water、Wasser(水浸)、Gly(グリセロール浸)です。

  • カラーコード - 顕微鏡メーカーは、対物レンズにカラーコードを付けることで、倍率の他、専用の浸液の必要性などについても簡単に識別できるようにしています。図1の対物レンズに付いている暗青色のコードは、横倍率が60倍であることを示しています。これは、レボルバーに5個または6個の対物レンズが搭載されており、特定の倍率を素早く選択しなければならないような場合に、非常に有用です。一部の専門的な対物レンズには、最適な開口数を実現する上で必要な浸液の種類を示すカラーコードも追加されています。オイルと一緒に使用する液浸レンズには、黒いカラーリングが付いており、グリセリンと一緒に使用するレンズには、図2の左側の対物レンズのように、オレンジのリングが付いています。水性媒質で生体細胞をイメージングするための対物レンズは、白いリングを持つ水浸対物レンズとして指定されており、異質な浸液を使用する専門性の高い対物レンズには、赤いリングが刻印されています。表3には、現在ほとんどのメーカーで使用されている、倍率とイメージング剤に対するカラーコードを示しています。

表3 - 対物レンズのカラーコード

Magnification Color Code
1/2x No Color Assigned
1x Black
1.25x Black
1.5x Black
2x Brown
2.5x Brown
4x Red
5x Red
10x Yellow
16x Green
20x Green
25x Turquoise
32x Turquoise
40x Light Blue
50x Light Blue
60x Cobalt Blue
63x Cobalt Blue
100x White
150x White
250x White
Immersion Media Color Code
Oil Black
Glycerol Orange
Water White
Special Red

特殊な機能 - 対物レンズには、メーカーや対物レンズのタイプに固有の特殊な機能を搭載しているものがしばしばあります。図1で示したプランアポクロマート対物レンズには、対物レンズが誤って顕微鏡のスライドの上に接触したときに損傷が起きるのを防止するため、スプリング式の前面レンズが搭載されています。

図2

専門的な対物レンズに搭載されているその他の機能として、作動距離(LWD)や開口数の可変設定があり、図2で示しているように、対物レンズ本体に付いている補正環を回すことによって、こういった値を調節できるようになっています。左側にあるプランフルオール対物レンズには、浸液/開口数の可変設定があり、オイル、水、グリセリンなど、複数の異なる浸液でこの対物レンズを使用できるようになっています。右側のプランアポ対物レンズには、作動距離調節機能(いわゆる「補正環」)が搭載されており、さまざまな厚さのカバーガラスで標本をイメージングできるようになっています。これは、開口数が高い乾燥系対物レンズの場合に特に重要になります。というのも、このようなレンズでは、指定の設計値と厚さが異なるカバーガラスを使用すると、球面収差などの収差の影響を受けやすく、結果的に分解能やコントラストが低下することになるためです。

今日では一般的ではありませんが、過去には、その他の種類の調整可能な対物レンズも製造されていました。おそらく、もっとも興味深い例は、複合「ズーム」対物レンズで、このレンズでは、倍率が通常約4倍から15倍の間で可変になっています。これらの対物レンズはバレルが短く、光学系の設計が不完全だったことから、収差が大きいという問題があり、顕微鏡写真や重要な定量的顕微鏡観察では、あまり実用的ではありません。

同焦点距離 - これも、メーカーによって異なることが多い、もう一つの仕様です。ほとんどの企業は、45ミリメートルの同焦点距離を持つ対物レンズを製造しているため、倍率を変えたときも、改めて焦点を合わせ直す必要があまりありません。

図3

図3の左側に示している対物レンズは、同焦点距離が45mmになっており、倍率カラーコードに加えて、浸液カラーコードも付いています。同焦点距離は、図で示しているように、レボルバーの対物レンズ取り付け穴から、標本の焦点位置までの距離を示します。図3の右側に示している対物レンズは、同焦点距離が60mmと長くなっており、これは、ニコンCFI60 200/60/25の仕様に従って製造されたためで、その結果、45mmの同焦点距離を持つ対物レンズを製造しているオリンパスやZeissなどの他メーカーのレンズと異なっています。ほとんどのメーカーはまた、対物レンズのレボルバーをパーセントリックにしており、標本が対物レンズの視野の中心に来ているときに、レボルバーを回して別の対物レンズを使用することになっても、中心を維持するようになっています。

ガラス設計 - ガラス組成の品質は、現代の顕微鏡光学系の進化において重要な要素です。非常に多くの設計がさまざまなメーカーによって実装されていますが、ここでは、専門的な低分散ガラスの組成に話を限定したいと思います。レンズ設計における大きな進歩として、蛍石と似た光学特性を持ちながら、機械的デメリット、光学的デメリットがない特殊低分散(ED)ガラスが導入されました。このガラスによって、各メーカーは、優れた補正能力と性能を持つレンズ素子を搭載した高品質の対物レンズを生産できるようになったのです。

多層コーティング - 高品質の顕微鏡対物レンズは、高透過率の反射防止多層コーティングで保護され、性能向上がはかられています。この多層コーティングは、レンズと空気の界面に施されたもので、フレアやゴーストを減らして、高コントラストのイメージを生成します。これらの専門的なコーティングは、コントラストを最高にする目的で、位相差対物レンズの位相板にも使用されています。

これまでの議論から、対物レンズが顕微鏡のもっとも重要な部品であることがおわかりいただけたと思います。対物レンズを際立ったものにすると同時に、目の前の仕事に適したものへと改善するために、最大の努力が投入されているのは、こういった理由からなのです。

Author

Michael W. Davidson - National High Magnetic Field Laboratory, 1800 East Paul Dirac Dr., The Florida State University, Tallahassee, Florida, 32310.

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